会社が株式の配当や預金の利息を受け取ると、会計では収益になります。法人税の申告では、ここから2つの別々の調整が出てきます。
- 配当の一部を益金に入れない(受取配当等の益金不算入):別表八(一)
- 源泉徴収された所得税を法人税から差し引く(所得税額控除):別表六(一)
架空の会社の受取額
株式会社べっぴょう(黒字のパターン)は、預金利息と上場株式(保有割合5%以下)の配当を受け取りました。
| 科目(試算表) | 受取額 | 源泉徴収された所得税 |
|---|---|---|
| 受取利息 | 22,200 | 3,399 |
| 受取配当金 | 175,000 | 26,801 |
源泉徴収された所得税30,200円は、会計では「法人税、住民税及び事業税」として費用にしています。
流れ1:受取配当等の益金不算入
上場株式を5%以下だけ持っている場合は「非支配目的株式等」に当たり、配当の20%が益金不算入です(別表八(一)の様式5欄の式)。
株式の区分ごとの配当から益金不算入額を計算するには、「受取配当の計算シミュレーター」が使えます。
流れ2:所得税額控除
源泉徴収された所得税は、別表六(一)で控除を受ける額を計算し(計30,200円)、2か所に書きます。
配当にかかる所得税は、元本(株式)を持っていた期間に対応する部分だけが控除の対象です。架空の会社は計算期間の全部を持っていたので、全額が対象です(別表六(一)の個別法の欄)。預金の利子は按分しません(参照:タックスアンサー No.5760)。
源泉徴収された所得税から控除を受ける額を計算するには、「所得税額控除の計算シミュレーター」が使えます。
2つは別の手続き
| 項目 | 益金不算入 | 所得税額控除 |
|---|---|---|
| 対象 | 配当(株式の区分で割合が変わる) | 利子・配当などから源泉徴収された所得税 |
| 別表 | 八(一) | 六(一) |
| 別表四 | 14欄で減算(※) | 29欄で加算(社外流出) |
| 別表一 | — | 16欄・12欄で法人税額から控除 |
配当には両方の調整が出ます。益金不算入は「所得の計算」、所得税額控除は「税額の計算」の調整です。
用意した例で試す
- 受取配当を増やすと:益金不算入額が増え、別表四14欄で減算する額が増えて、所得金額が減ります
気をつけたい点
- 源泉徴収税額は、おおむね収入金額の15.315%です(参照:留意点のチェックポイント)
- 別表六(一)の計・別表一16欄・別表四29欄の金額は一致します
- 控除しきれなかった所得税は還付されます(参照:タックスアンサー No.5760)
出典:国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」申告書作成上の留意点(別表六(一)・別表八(一))、タックスアンサー No.5760「所得税額控除」(令和8年4月1日現在法令等)、令和8年版 別表一・別表四・別表八(一)の様式、国税庁「法人税基本通達等の一部改正について」(平成27年6月30日)の趣旨説明
最終更新日:2026-10-10