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受取配当と源泉所得税の流れ

配当や預金利息を受け取ったときの法人税の扱いを、受取配当等の益金不算入(別表八(一)→別表四14欄)と所得税額控除(別表六(一)→別表一・別表四29欄)の2つの流れに分けて、架空の会社の数字で解説します。

掲載している会社・数値はすべて架空のものです。リンクを押すと、その帳票の欄が選ばれた状態で開きます。

会社が株式の配当や預金の利息を受け取ると、会計では収益になります。法人税の申告では、ここから2つの別々の調整が出てきます。

  1. 配当の一部を益金に入れない(受取配当等の益金不算入):別表八(一)
  2. 源泉徴収された所得税を法人税から差し引く(所得税額控除):別表六(一)

架空の会社の受取額

株式会社べっぴょう(黒字のパターン)は、預金利息と上場株式(保有割合5%以下)の配当を受け取りました。

科目(試算表) 受取額 源泉徴収された所得税
受取利息 22,200 3,399
受取配当金 175,000 26,801

源泉徴収された所得税30,200円は、会計では「法人税、住民税及び事業税」として費用にしています。

流れ1:受取配当等の益金不算入

上場株式を5%以下だけ持っている場合は「非支配目的株式等」に当たり、配当の20%が益金不算入です(別表八(一)の様式5欄の式)。

  • 別表八(一) 5欄:175,000円×20%=35,000円
  • → 別表四14欄で減算します。処分は社外流出の欄に「※」を付けて書きます(35,000円)

株式の区分ごとの配当から益金不算入額を計算するには、「受取配当の計算シミュレーター」が使えます。

流れ2:所得税額控除

源泉徴収された所得税は、別表六(一)で控除を受ける額を計算し(計30,200円)、2か所に書きます。

  • 別表一16欄:法人税額から差し引きます(控除税額12欄は30,200円)
  • 別表四29欄:控除を受けた所得税は損金にならないので、会計で費用にした分を加算します(社外流出、30,200円)

配当にかかる所得税は、元本(株式)を持っていた期間に対応する部分だけが控除の対象です。架空の会社は計算期間の全部を持っていたので、全額が対象です(別表六(一)の個別法の欄)。預金の利子は按分しません(参照:タックスアンサー No.5760)。

源泉徴収された所得税から控除を受ける額を計算するには、「所得税額控除の計算シミュレーター」が使えます。

2つは別の手続き

項目 益金不算入 所得税額控除
対象 配当(株式の区分で割合が変わる) 利子・配当などから源泉徴収された所得税
別表 八(一) 六(一)
別表四 14欄で減算(※) 29欄で加算(社外流出)
別表一 — 16欄・12欄で法人税額から控除

配当には両方の調整が出ます。益金不算入は「所得の計算」、所得税額控除は「税額の計算」の調整です。

用意した例で試す

  • 受取配当を増やすと:益金不算入額が増え、別表四14欄で減算する額が増えて、所得金額が減ります

気をつけたい点

  • 源泉徴収税額は、おおむね収入金額の15.315%です(参照:留意点のチェックポイント)
  • 別表六(一)の計・別表一16欄・別表四29欄の金額は一致します
  • 控除しきれなかった所得税は還付されます(参照:タックスアンサー No.5760)

出典:国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」申告書作成上の留意点(別表六(一)・別表八(一))、タックスアンサー No.5760「所得税額控除」(令和8年4月1日現在法令等)、令和8年版 別表一・別表四・別表八(一)の様式、国税庁「法人税基本通達等の一部改正について」(平成27年6月30日)の趣旨説明

最終更新日:2026-10-10

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