決算で「法人税、住民税及び事業税」を見積もって計上し、貸借対照表に「未払法人税等」として載せた金額を、税務では納税充当金と呼びます。納税充当金は、別表四・別表五(一)・別表五(二)の3つの別表と貸借対照表をめぐるので、つながりを学ぶのにちょうどよい題材です。
架空の会社(株式会社べっぴょう、黒字のパターン)の数字でたどります。
1. 期首:前期に積み立てた納税充当金
期首の未払法人税等は489,000円です。これは前期の決算で見積もった、前期分の確定申告で払う税金です。
- 別表五(二)の期首納税充当金30欄:489,000円
- 別表五(一)の納税充当金26欄の期首①:489,000円
2. 当期中:前期分の税金を納税充当金から払う
当期に入って、前期分の確定申告の税金を納税充当金を取り崩して払います。
- 法人税・地方法人税300,000円、都民税89,000円(道府県民税相当22,700円+市町村民税相当66,300円)→ 別表五(二)の取崩額 法人税額等34欄:389,000円
- 事業税・特別法人事業税100,000円 → 別表五(二)の35欄:100,000円
前期分の法人税や住民税は、もともと損金にならない税金なので、取り崩して払っても別表四の調整はありません。一方、事業税は申告した期の損金になるので(確定分はふつう翌期。参照:タックスアンサー No.5300)、別表四の13欄「納税充当金から支出した事業税等の金額」で100,000円を減算します(参照:留意点。別表五(二)の35〜38欄の合計を記載)。
3. 期末:当期分の税金を見積もって積み立てる
当期の決算で、当期分の確定申告で払う税金を見積もり、119,000円を繰り入れました。
| 内訳 | 金額 |
|---|---|
| 法人税・地方法人税(別表一の差引確定税額の合計) | 59,100 |
| 都民税(第六号様式㉑) | 40,600 |
| 事業税・特別法人事業税(第六号様式㊼+61) | 19,300 |
| 合計(別表五(二)31欄) | 119,000 |
23区以外の会社では、都民税の代わりに県に出す第六号様式㉑(道府県民税10,800円)と市の第二十号様式⑳(市町村民税29,800円)が入ります。合計は同じです。
この繰入額は費用(損金経理)として計上されていますが、税務上は損金にならないので、別表四の4欄「損金経理をした納税充当金」で加算します(参照:留意点。別表五(二)の31欄の金額を記載)。
4. 期末残高:3か所で一致する
- 別表五(二)の期末納税充当金41欄:489,000-489,000+119,000=119,000円
- 別表五(一)の納税充当金26欄の翌期首④:119,000円
- 貸借対照表の未払法人税等:119,000円
留意点のチェックポイントでも、別表五(二)の41欄と貸借対照表の納税充当金(未払法人税等)が一致しているかを確かめるよう案内されています。
ポイント
- 納税充当金の繰入れは別表四で加算(4欄)、事業税の取崩しは別表四で減算(13欄)
- 法人税・住民税の取崩しは、別表四には出てこない
- 期末残高は、別表五(二)41欄・別表五(一)26欄④・貸借対照表で一致する
試算表のページで「未払法人税等」をクリックすると、決算書と別表へのつながりを一覧で確認できます。
最終更新日:2026-10-10