別表四の金額は「総額①」を「留保②」と「社外流出③」に分けて書きます。このうち留保は、会社の中に残る金額で、別表五(一)の利益積立金額に積み上がります。
留保と社外流出の違い
- 留保:会社の中に残るもの。例:減価償却の償却超過額、損金経理をした納税充当金
- 社外流出:会社の外に出ていったもの。例:配当、交際費等の損金不算入額
架空の会社(黒字のパターン)の別表四では、次のように分かれます。
| 別表四の欄 | 総額 | 留保 | 社外流出 |
|---|---|---|---|
| 1 当期利益 | 933,500 | 733,500 | 200,000(配当) |
| 6 減価償却の償却超過額(一括償却資産の限度超過額を含む) | 220,000 | 220,000 | |
| 8 交際費等の損金不算入額 | 50,000 | 50,000 | |
| 14 受取配当等の益金不算入額(減算) | 35,000 | ※35,000 | |
| 27 寄附金の損金不算入額 | 34,800 | 34,800 | |
| 29 法人税額から控除される所得税額 | 30,200 | 30,200 | |
| 52 所得金額 | 1,447,000 | 1,167,000 | 315,000(※△35,000) |
表に載せていない加算・減算(中間納付した法人税・住民税、納税充当金、前期分の事業税)は、すべて留保です。
受取配当等の益金不算入額(14欄)は、社外流出の列に「※」を付けて書きます。会社の外にお金が出たわけではありませんが、別表五(一)には移らない調整です。そのため52欄では、留保と社外流出を足しても総額にならず、留意点のとおり「※」の金額を加減算して一致します(1,167,000円+315,000円-35,000円=1,447,000円)。
留保は別表五(一)の「当期の増減」へ
留意点では、別表五(一)の「当期の増減」は、原則として、別表四の「加算」の留保②を「増③」に、「減算」の留保②を「減②」に、その内容に応じて記載するとされています。
- 減価償却超過額100,000円 → 別表五(一)の「減価償却超過額」の増③
- 一括償却資産の損金算入限度超過額120,000円 → 別表五(一)の「一括償却資産損金算入限度超過額」の増③(別表四6欄の留保220,000円は、この2つの合計)
- 損金経理をした納税充当金119,000円 → 別表五(一)の納税充当金26欄の増③
減価償却超過額は、翌期以降に償却不足が生じたときに「減価償却超過額の当期認容額」(別表四12欄)として減算され、別表五(一)からも減っていきます。別表五(一)は、こうした会計と税務のずれの残高を管理する帳票です。減価償却の扱いごとの流れは「減価償却と別表の流れ」、留保にならない社外流出の例は「交際費と寄附金」で説明しています。
検算式で確かめる
留意点には、別表五(一)の検算式が載っています(特殊な取引がない場合)。
別表四52②欄 + 別表五(一)31①欄 - 27・29・30の③欄の合計額 ± 28③欄 = 31④欄
架空の会社の数字を入れると、
- 別表四52欄の留保:1,167,000円
- 別表五(一)31欄の期首①:2,200,000円
- 未納法人税等(27・29・30)の増③の合計:150,000+59,100+11,350+10,750+33,150+29,850=294,200円
1,167,000+2,200,000-294,200=3,072,800円 となり、別表五(一)31欄の翌期首④と一致します。
未納法人税等を引くのは、当期に発生した法人税・住民税(中間分・確定分)が、利益積立金額のマイナスとして別表五(一)に書かれるためです。
ポイント
- 留保②は別表五(一)へ、社外流出③は別表五(一)には行かない
- 別表五(一)の各区分の当期の増減は、別表四の留保②と一致する(参照:留意点のチェックポイント)
- 検算式で、別表四と別表五(一)の整合を確かめられる
最終更新日:2026-10-10