使い方
- 受け取った配当を、株式の区分ごとに入れます。区分が分からないときは「株式の区分の目安を調べる」で、持っている割合から目安を出せます
- 関連法人株式等の配当があるときは、控除する利子の額の計算(配当の4%か、支払利子等の10%)を選びます
- 益金不算入額と、別表八(一)に書く数字が出ます。[税額シミュレーターに入れる]を押すと、法人税・住民税・事業税への影響を確かめられます
株式の区分と益金不算入の額
法人税法を参照して、要点をまとめると次のとおりです(参照:法人税法 第23条・法人税法施行令 第19条・第22条・第22条の2・第22条の3)。
| 株式の区分 | 持っている割合など | 益金不算入の額 |
|---|---|---|
| 完全子法人株式等 | 配当の計算期間を通じて完全支配関係(100%) | 全額 |
| 関連法人株式等 | 3分の1超(前の配当の基準日の翌日などから引き続き) | 配当 − 利子の額(原則は配当の4%) |
| その他の株式等 | 5%超〜3分の1以下 | 50% |
| 非支配目的株式等 | 5%以下(配当の基準日に) | 20% |
別表八(一)の5欄には「(1)+((2)-(20の計))+(3)×50%+(4)×(20%又は40%)」と印刷されています。40%は保険会社の特例の場合です(参照:別表八(一)の記載要領)。
計算例
架空の会社(上場株式の配当175,000円)
架空の会社は、保有割合5%以下の上場株式から配当175,000円を受け取りました。非支配目的株式等なので、その20%の35,000円が益金不算入です。別表八(一)の5欄から別表四の14欄に転記され、所得から減算されています(「受取配当と源泉所得税の流れ」)。
4つの区分の配当を受け取った場合
完全子法人株式等100万円・関連法人株式等60万円・その他の株式等30万円・非支配目的株式等10万円の場合、益金不算入額は 100万円 +(60万円 − 60万円 × 4%)+ 30万円 × 50% + 10万円 × 20% = 1,746,000円です。当期の支払利子等の額が20万円なら、その10%の20,000円は関連法人株式等の配当の4%(24,000円)以下なので、控除する利子の額を20,000円にでき、益金不算入額は1,750,000円になります。
このツールで計算しないもの
- 株式の区分の判定(目安は出しますが、保有期間の条件は判定しません。入力した区分で計算します)
- 短期保有株式等(配当の基準日以前1か月以内に取得し、2か月以内に譲渡した株式)の配当の除外
- みなし配当、外国法人・公益法人等からの配当、特定株式投資信託の収益の分配、保険会社の特例(40%)、通算法人の計算
- 円未満の端数は切り捨てています(4%・按分は配当ごと、50%・20%は合計で)。端数の扱いは資料で確認できていないため、端数が出たときは結果の横でお知らせします
学習用の計算で、個別の申告内容の判断には使えません。
実際の申告は、株式の区分と保有期間を確かめたうえで計算し、必要に応じて税理士などの専門家にご確認ください。
よくある質問
- 受け取った配当は、全部が税金の対象になりますか?
- 受け取った配当のうち一部(株式の区分によっては全部)は、法人税の所得の計算で益金に算入しません。益金に入れない額は、完全子法人株式等は全額、関連法人株式等は配当から利子の額を控除した額、その他の株式等は50%、非支配目的株式等は20%です(参照:法人税法 第23条第1項)。
- 株式の区分は、どうやって決まりますか?
- 配当を出した会社の株式をどれだけ持っているかで決まります。3分の1を超えて持っていれば関連法人株式等、5%以下なら非支配目的株式等、その間はその他の株式等です。配当の計算期間を通じて100%の完全支配関係があれば完全子法人株式等です(参照:法人税法 第23条第4項〜第6項)。関連法人株式等は、前の配当の基準日の翌日などから引き続き持っていることが条件です(参照:法人税法施行令 第22条)。
- 上場株式の配当はどの区分ですか?
- 持っている割合で決まります。上場株式でも、配当の基準日に発行済株式の5%以下しか持っていなければ非支配目的株式等で、配当の20%が益金不算入です(参照:法人税法 第23条第6項・法人税法施行令 第22条の3)。
- 関連法人株式等の配当から控除する「利子の額」とは?
- 原則は、その配当の額の4%です。当期の支払利子等の額の合計の10%が、関連法人株式等の配当の合計の4%以下なら、支払利子等の10%を配当の額で按分した額にできます。この計算は書類の添付がある場合に限ります(参照:法人税法施行令 第19条)。
- 配当を受け取ってすぐ株式を売った場合は?
- 配当の基準日以前1か月以内に取得し、基準日後2か月以内に譲渡した株式(短期保有株式等)の配当は、益金不算入の対象になりません(参照:法人税法 第23条第2項)。このツールでは判定しません。
- 益金不算入額は、申告書のどこに書きますか?
- 別表八(一)(受取配当等の益金不算入に関する明細書)で計算し、5欄の益金不算入額を別表四の14欄「受取配当等の益金不算入額」で所得から減算します(社外流出)。明細を記載した書類の添付がある場合に限り、益金不算入が適用されます(参照:法人税法 第23条第7項)。
あわせて読みたい解説
- 受取配当と源泉所得税の流れ・別表四の主な加算・減算
- 申告書:別表八(一)・別表四・別表六(一)
- 用語集:受取配当等の益金不算入・益金と損金・所得税額控除
- 源泉所得税の控除:所得税額控除の計算シミュレーター・計算ツールの一覧
出典
- 法人税法 第23条(受取配当等の益金不算入)
- 法人税法施行令 第19条・第22条・第22条の2・第22条の3
- 国税庁「別表八(一)の記載要領」(令和8年4月1日以後終了事業年度分)と様式
このツールの計算は、架空の会社の別表八(一)・別表四14欄の数字と、条文どおりに手で計算した例(4つの区分・利子の額の2通りの計算)と同じになることを確かめています。最終更新日:2026-10-15