テーマ別の解説

前期・当期・翌期の申告書のつながり

法人税の申告書は1期ごとに作りますが、別表五(一)・五(二)・七(一)の期首の欄は前期の申告書から移ります。前期分の税金を当期に納める流れ、当期の期末が翌期の期首になる流れを、架空の会社の数字でたどります。

掲載している会社・数値はすべて架空のものです。リンクを押すと、その帳票の欄が選ばれた状態で開きます。

法人税の申告書は事業年度ごとに作りますが、前の期とつながっている欄があります。別表五(一)の利益積立金額、別表五(二)の未納の税金、別表七(一)の繰越欠損金は、前期の申告書の期末の金額が、当期の申告書の期首の欄に移ります。

架空の会社(株式会社べっぴょう)の当期は2025年7月1日〜2026年6月30日です。このサイトでは、その前期(2024年7月1日〜2025年6月30日)の申告書のうち、当期の期首の欄に移る金額だけを用意しています。

前期の申告書から当期の期首へ

国税庁の手引は、別表五(一)の期首の欄について次のように書いています。

原則として、前期分のこの別表の「差引翌期首現在利益積立金額④」の各欄の金額(更正又は決定があった場合には、その際にお知らせしている金額)を移記します。

(申告書作成上の留意点 別表五(一))

別表五(二)・別表七(一)にも、前期の申告書と一致しているかを確かめるチェックポイントがあります(「期首現在未納税額①の各欄は、前事業年度の申告書の期末現在未納税額⑥と一致していますか。」「「控除未済欠損金額3」欄の金額について、前期の申告書の別表七(一)の「翌期繰越額5」欄の金額等と一致していますか。」)。

黒字のパターンの数字で並べると、次のとおりです。

当期の欄 前期の申告書の欄 金額
別表五(一) 1欄 利益準備金① 別表五(一) 1欄④ 100,000
別表五(一) 25欄 繰越損益金① 別表五(一) 25欄④ 2,000,000
別表五(一) 26欄 納税充当金① 別表五(一) 26欄④ 489,000
別表五(一) 27欄 未納法人税等① 別表五(一) 27欄④ △300,000
別表五(一) 32欄 資本金又は出資金① 別表五(一) 32欄④ 10,000,000
別表五(二) 5欄 法人税・地方法人税① 別表五(二) 5欄⑥ 300,000
別表五(二) 10欄 道府県民税① 別表五(二) 10欄⑥ 22,700
別表五(二) 15欄 市町村民税① 別表五(二) 15欄⑥ 66,300

繰越欠損金を控除するパターンでは、前期に生じた欠損金額1,000,000円が、前期の別表七(一)の「翌期繰越額5」から、当期の別表七(一)の「控除未済欠損金額3」に移ります。当期はそこから1,000,000円を控除しています(「繰越欠損金の流れ」)。

前期分の税金を当期に納める

前期の確定申告の税金は、前期の決算で納税充当金(未払法人税等)に計上し、当期に入ってから納めます。黒字のパターンでは、次のように記録します。

  • 法人税・住民税:前期の申告書の別表五(二)で未納だった金額が、当期の「期首現在未納税額①」になります(法人税・地方法人税300,000円、道府県民税22,700円、市町村民税66,300円)。当期に納税充当金を取り崩して納めたので「充当金取崩しによる納付③」に書き、期末の未納は0になります。
  • 事業税・特別法人事業税:前期分の100,000円は、当期の別表五(二)では「期首現在未納税額①」ではなく「当期発生税額②」の欄にあります。タックスアンサーを参照すると、事業税などの申告納税方式による税金は、納税申告書を提出した事業年度の損金になります(参照:タックスアンサー No.5300)。
  • 納税充当金の取崩し:別表五(二)の「期首納税充当金30」は489,000円で、別表五(一)の納税充当金の期首①と同じ金額です。法人税等の分389,000円と、事業税等の分100,000円を取り崩しました。
  • 別表四の減算:納税充当金から払った事業税等100,000円は、当期の損金になります。決算では費用になっていないので、別表四の13欄「納税充当金から支出した事業税等の金額」で減算します。留意点は、この欄に「別表五(二)の「事業税及び特別法人事業税 35」から「38」までの金額の合計額を記載します」としています。

中間申告の税額も、前期の数字で決まります。架空の会社は、前期の確定税額の6/12を中間納付しました。たとえば法人税・地方法人税の中間分150,000円は、前期の確定分300,000円の半分です(「中間納付した税金の扱い」)。

当期の期末が、翌期の期首になる

当期の申告書の期末の欄は、翌期の申告書の期首の欄に移ります。黒字のパターンでは、次の金額が翌期に引き継がれます。

  • 別表五(一)の納税充当金④ 119,000円 → 翌期の別表五(一) 26欄①
  • 別表五(二)の法人税・地方法人税の期末現在未納税額⑥ 59,100円 → 翌期の別表五(二) 5欄①(翌期に納める確定分)
  • 別表五(一)の差引合計額④ 3,072,800円 → 翌期の利益積立金額の出発点

当期が赤字のパターンでは、欠損金額3,000,000円が別表七(一)の「翌期繰越額5」になり、翌期の申告書で所得から控除できます。

架空の会社の翌期(2026年7月1日〜2027年6月30日)は、令和8年4月1日以後に開始する事業年度なので、防衛特別法人税の対象になります。翌期の申告書は、その年の様式・手引が公開されていないため、このサイトでは作っていません。

このサイトでの見方

  • 帳票の期首の欄(別表五(一)の①など)を選ぶと、詳細パネルの「この欄に流れ込む」に、前期の申告書の欄と金額、根拠が出ます。
  • 期末の欄(別表五(一)の④など)を選ぶと、「翌期の申告書では」に、翌期のどの欄に移るかが出ます。
  • 転記・検算チェックリストの最初の区切り「前期の申告書から(期首の欄)」で、期首の欄を順に確かめられます。

出典:国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」第二部 申告書作成上の留意点(別表四・別表五(一)・別表五(二)・別表七(一))・第一部 4 申告書の作成(設例)、タックスアンサー No.5300「損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」(令和8年4月1日現在法令等)

最終更新日:2026-10-11

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