使い方
- 会社が中小企業者等の特例を使えるかと、事業年度の月数を入れます
- 取得した資産を1組・1単位ごとに1行にし、取得価額と取得した時期(令和8年3月31日まで/4月1日以後)を入れます
- 処理の欄に、その金額で選べるものが出ます。選ぶと、当期に損金になる額と、別表十六(七)・十六(八)に書く数字が出ます
取得価額と選べる処理
タックスアンサーと条文を参照して、要点をまとめると次のとおりです(参照:タックスアンサー No.5403・No.5408・法人税法施行令 第133条・第133条の2・租税特別措置法 第67条の5)。
| 取得価額 | 少額(全額損金) | 一括償却資産(3年) | 中小企業者等の特例(全額損金) |
|---|---|---|---|
| 10万円未満 | ○ | ○ | - |
| 10万円以上20万円未満 | - | ○ | ○ |
| 20万円以上30万円未満 | - | - | ○ |
| 30万円以上40万円未満 | - | - | 令和8年4月1日以後の取得だけ○ |
どの金額でも、通常の減価償却を選べます。中小企業者等の特例は、青色申告をする中小企業者等(常時使用する従業員が400人以下など)が使え、1つの事業年度で取得価額の合計300万円までです。どの処理も、事業の用に供した事業年度に費用にする(損金経理する)ことが条件です。
令和8年度の改正
タックスアンサーを参照すると、中小企業者等の特例は令和8年度の改正で次のように変わりました(参照:タックスアンサー No.5408)。
- 取得価額の基準:30万円未満 → 40万円未満(令和8年4月1日以後に取得などをしたもの)
- 常時使用する従業員の数の基準:500人以下 → 400人以下(同じく令和8年4月1日以後に取得などをしたもの)
- 特例の期限:令和11年3月31日までに取得などして事業の用に供したもの
e-Gov で取得した租税特別措置法 第67条の5は、すでに「四十万円未満」になっています。令和8年3月31日までに取得した資産に30万円未満の基準を使うことは、タックスアンサーの注で確かめました(改正法の附則は確認できていません)。
計算例
架空の会社(ノートパソコン2台と応接セット)
架空の会社は、ノートパソコン2台(1台210,000円)を中小企業者等の特例で全額費用にし、合計420,000円を別表十六(七)に書いています。令和8年4月1日より前の取得なので、30万円未満の基準で判定しています。
応接セット180,000円は一括償却資産にし、全額を費用にしました。当期の限度額は 180,000円 × 12 ÷ 36 = 60,000円なので、超える120,000円を別表四の6欄で加算しています(別表十六(八))。
300万円の限度を超える場合
取得価額28万円の資産を11台(計308万円)取得した場合、特例で損金になるのは、資産を1台ずつ積み上げて300万円に達するまでの2,800,000円(28万円 × 10台)です(参照:申告書作成上の留意点(別表十六(七)))。6か月の事業年度なら、限度は150万円になります。
このツールで判定・計算しないもの
- 会社が中小企業者等に当たるか(資本金・従業員数・青色申告など)
- 使用可能期間が1年未満のもの、貸付けの用に供したもの、取得価額に含める付随費用の範囲
- 特別償却・税額控除・圧縮記帳との関係、前の事業年度に取得した一括償却資産(2年目・3年目)の計算
- 通常の減価償却の償却限度額(減価償却の計算シミュレーターで計算できます)
- 一括償却資産の限度額の円未満の端数は切り捨てています。端数の扱いは資料で確認できていないため、端数が出たときは結果の横でお知らせします
学習用の判定で、個別の申告内容の判断には使えません。
実際の申告は、取得価額・取得の日・事業の用に供した日と会社の区分を確かめたうえで処理し、必要に応じて税理士などの専門家にご確認ください。
よくある質問
- 10万円未満のパソコンは、全額を経費にできますか?
- 取得価額が10万円未満の減価償却資産は、事業に使い始めた事業年度に全額を費用にすれば(損金経理)、その事業年度の損金になります。貸付け(主要な事業として行うものを除きます)の用に供したものは除きます(参照:法人税法施行令 第133条・タックスアンサー No.5403)。
- 30万円未満の特例は、40万円未満になったのですか?
- 令和8年度の改正で、令和8年4月1日以後に取得などをした資産は40万円未満が基準になりました。それより前に取得した資産は、改正前の30万円未満で判定します。常時使用する従業員の数の基準も、500人以下から400人以下になりました(参照:タックスアンサー No.5408)。
- 中小企業者等の特例は、いくらまで使えますか?
- 1つの事業年度で、少額減価償却資産の取得価額の合計300万円までです。事業年度が1年に満たないときは、300万円を12で割り月数を掛けた額です(参照:租税特別措置法 第67条の5)。資産を1つずつ積み上げて300万円に達するまでが対象で、28万円の資産11台なら280万円までです(参照:申告書作成上の留意点(別表十六(七)))。
- 一括償却資産と中小企業者等の特例は、どちらがよいですか?
- 会社が資産ごとに選べます。特例は使い始めた年に全額が損金になりますが、年300万円の限度があり、青色申告の中小企業者等だけが使えます(参照:タックスアンサー No.5408)。一括償却資産は20万円未満の資産の取得価額の合計を、36か月で均等に損金にします(参照:法人税法施行令 第133条の2)。このツールは選べる処理を出しますが、どれがよいかは判断しません。
- 一括償却資産の限度額は、どう計算しますか?
- 一括償却資産の取得価額の合計額を36で割り、当期の月数を掛けます(参照:法人税法施行令 第133条の2第1項)。12か月の事業年度なら、合計額の3分の1です。全額を費用にしたときは、限度額を超える分を別表四の6欄で加算します(別表十六(八))。
- 10万円以上かどうかは、どの単位で判定しますか?
- 通常1単位として取引される単位ごとに判定します。応接セットはテーブルといすの1組で、カーテンは部屋ごとの合計で判定します(参照:タックスアンサー No.5403)。
あわせて読みたい解説
- 減価償却と別表の流れ・別表四の主な加算・減算
- 申告書:別表十六(七)・別表十六(八)・別表四
- 用語集:少額減価償却資産・一括償却資産・定額法と定率法
- 通常の減価償却:減価償却の計算シミュレーター・計算ツールの一覧
出典
- 国税庁 タックスアンサー No.5403「少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」・No.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(令和8年4月1日現在法令等)
- 法人税法施行令 第133条(少額の減価償却資産の取得価額の損金算入)・第133条の2(一括償却資産の損金算入)
- 租税特別措置法 第67条の5・租税特別措置法施行令 第39条の28(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)
- 国税庁「別表十六(七)の記載要領」「別表十六(八)の記載要領」(令和8年4月1日以後終了事業年度分)と様式、「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」申告書作成上の留意点(別表十六(七))
このツールの判定・計算は、架空の会社の別表十六(七)・十六(八)の数字と、条文・資料どおりに手で計算した例(取得の時期による基準・300万円の限度・一括償却資産の月数)と同じになることを確かめています。最終更新日:2026-10-16