テーマ別の解説

法人税・住民税・事業税の計算の順番

別表四の所得金額から、別表一の法人税・地方法人税、第六号様式の住民税・事業税・特別法人事業税、別表五(二)の未納税額まで、税金がどの順番で計算されるかを架空の会社の数字でたどります。

掲載している会社・数値はすべて架空のものです。リンクを押すと、その帳票の欄が選ばれた状態で開きます。

会社の税金は、1つの数字から順番に計算していきます。出発点は別表四の所得金額で、そこから法人税、地方法人税、住民税・事業税の順に決まります。ここでは、黒字・東京23区の架空の会社の数字でたどります。

1. 所得金額(別表四)

欄 内容 金額
別表四 52 所得金額 1,447,000

損益計算書の当期純利益に、税務上の加算・減算をして出します(「法人税申告の流れ」)。

2. 法人税(別表一)

所得金額を別表一の1欄に移し、税率を掛けます。架空の会社は中小法人で、所得が年800万円以下なので、全額に軽減税率を使います。

欄 内容 金額
別表一 1 所得金額 1,447,000
別表一 2 法人税額 217,050
別表一 12 控除税額(源泉所得税) 30,200
別表一 13 差引所得に対する法人税額 186,800
別表一 14 中間申告分の法人税額 136,000
別表一 15 差引確定法人税額(この申告で納める額) 50,800

預金利息・配当から差し引かれた源泉所得税は、法人税額から控除します(所得税額控除)。中間申告で納めた分も差し引きます。

3. 地方法人税(別表一)

地方法人税は、法人税額をもとに計算します。地方法人税法を参照すると、課税標準は課税標準法人税額(各課税事業年度の基準法人税額)で、税率は10.3%です(参照:地方法人税法 第9条・第10条)。

欄 内容 金額
別表一 28 所得の金額に対する法人税額(千円未満切捨て) 217,000
別表一 31 地方法人税額(×10.3%) 22,351
別表一 38 差引地方法人税額(百円未満切捨て) 22,300
別表一 40 差引確定地方法人税額 8,300

4. 住民税(第六号様式)

法人住民税は、法人税額をもとにする法人税割と、定額の均等割を合わせたものです。東京23区の会社は、第六号様式で都民税として申告します。

欄 内容 金額
第六号様式 ① 法人税法の規定によって計算した法人税額(別表一 9欄) 217,050
第六号様式 ⑤ 課税標準となる法人税額(千円未満切捨て) 217,000
第六号様式 ⑦ 法人税割額 15,190
第六号様式 ⑱ 均等割額 70,000
第六号様式 ㉑ この申告により納付すべき都民税額 40,600

住民税の法人税割のもとは、所得税額控除の前の法人税額(別表一 9欄)です。23区以外の会社は、県と市に分けて申告します(「東京23区と23区以外の地方税の申告書」)。

5. 事業税・特別法人事業税(第六号様式)

事業税は、法人税額ではなく所得をもとに計算します(所得割)。特別法人事業税は、その事業税の所得割額をもとに計算します。

欄 内容 金額
第六号様式 ㉘ 所得金額総額 1,447,000
第六号様式 ㉙ 所得割(年400万円以下 ×3.5%) 50,600
第六号様式 ㊼ この申告により納付すべき事業税額 14,100
第六号様式 54 特別法人事業税額(×37%) 18,700
第六号様式 61 この申告により納付すべき特別法人事業税額 5,200

6. 別表五(二)に記録する

最後に、計算した税金を別表五(二)に税目ごとに記録します。この申告で納める法人税・地方法人税(別表一の15欄+40欄)は、「当期分 確定」の行になります。

欄 内容 金額
別表五(二) 4② 法人税・地方法人税 当期分 確定 59,100
別表五(二) 9② 道府県民税 当期分 確定 10,750
別表五(二) 14② 市町村民税 当期分 確定 29,850

50,800+8,300=59,100円です。当期分の事業税は、申告書を出す翌期の損金になるので(参照:タックスアンサー No.5300)、当期の別表五(二)には確定分の行がありません。

順番のまとめ

  1. 別表四で所得金額を出す
  2. 別表一で法人税額を出し、源泉所得税・中間分を差し引く
  3. 別表一で地方法人税額を出す
  4. 第六号様式(23区以外は第二十号様式も)で住民税を出す
  5. 第六号様式で事業税・特別法人事業税を出す
  6. 別表五(二)に記録し、別表五(一)の未納法人税等につなぐ

自分の会社の利益で税額の目安を知りたいときは、「法人税・住民税・事業税の概算シミュレーター」で計算できます。

出典:国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」第一部 4 申告書の作成(設例)・申告書作成上の留意点(別表一・別表五(二))、地方法人税法 第9条・第10条、東京都主税局「第6号様式 記載の手引」(令和7年改正)、タックスアンサー No.5300「損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」(令和8年4月1日現在法令等)

最終更新日:2026-10-11

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