交際費と寄附金は、どちらも会計では費用です。ただし税務では、損金にできる額に上限(損金算入限度額)があり、超えた部分は損金不算入として別表四で加算します。
架空の会社の計算
株式会社べっぴょう(資本金1,000万円、黒字のパターン)の例です。
| 項目 | 交際費 | 寄附金 |
|---|---|---|
| 決算で費用にした額(試算表) | 8,050,000 | 50,000 |
| 損金算入限度額 | 8,000,000 | 15,200 |
| 損金不算入額 | 50,000 | 34,800 |
| 別表四 | 8欄で加算 | 27欄で加算 |
- 交際費(別表十五):中小法人等は、年800万円(定額控除限度額)まで損金にできます
- 寄附金(別表十四(二)):一般の寄附金の限度額は〔期末の資本金の額と資本準備金の額の合計×月数/12×2.5/1,000+所得の金額×2.5/100〕×1/4です(参照:タックスアンサー No.5281)
どちらも処分は「社外流出」
交際費も寄附金も、お金が会社の外に出ていったものなので、別表四の処分は「社外流出」です。別表五(一)には移りません。
減価償却の償却超過額のような「留保」は翌期以降に認容されて戻りますが、社外流出の損金不算入額は、後の年に損金になることはありません。
寄附金の限度額は、交際費の影響を受ける
寄附金の限度額は、寄附金を差し引く前の所得をもとに計算します。そのため、別表十四(二)の8欄には別表四の仮計(26欄)1,382,000円を書き、寄附金の額を足して「寄附金支出前所得金額」(9欄、1,432,000円)を出します。
交際費の損金不算入額は26欄より前の8欄で加算されるので、交際費が増えると仮計が増え、寄附金の限度額も増えます。国税庁の設例でも、寄附金の支出がある場合は、別表十四(二)の前に別表四の26欄を計算すると説明されています。
用意した例で試す
入力した状態で帳票が開きます。オレンジ色の欄が、入力によって変わった欄です。
気をつけたい点
- 交際費の800万円の枠は、事業年度が12か月の場合です。資本金が1億円を超える会社などは使えません(参照:留意点)
- 1人あたり1万円以下の飲食費を交際費等から外すには、日付・参加者・人数・金額・お店などを書いた書類の保存が必要です(参照:留意点)
- 別表十四(二)の「支出した寄附金の額」には、仮払寄附金は含まれ、未払寄附金は含まれません(参照:留意点)
自分の会社の数字で損金不算入額を計算するときは、「交際費の計算シミュレーター」「寄附金の計算シミュレーター」が使えます。
限度額の計算をくわしく知りたいときは「寄附金は、いくらまで損金になる?」「交際費は800万円の定額控除と50%、どちらを選ぶ?」を読んでください。
出典:国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」第一部の設例・申告書作成上の留意点(別表十四(二)・別表十五)、タックスアンサー No.5265・No.5281(令和8年4月1日現在法令等)、令和8年版 別表四・別表十四(二)・別表十五の様式
最終更新日:2026-10-10