テーマ別の解説

法人税の別表と地方税のつながり

別表一の法人税額や別表四の所得金額が、地方税の申告書(第六号様式。23区以外の会社は市に出す第二十号様式も)にどう転記され、その結果が別表五(二)や納税充当金に戻ってくるかを解説します。

掲載している会社・数値はすべて架空のものです。リンクを押すと、その帳票の欄が選ばれた状態で開きます。

法人の税金は、国に納める**法人税・地方法人税**と、都道府県・市町村に納める法人住民税・法人事業税(と特別法人事業税)に分かれます。東京23区の法人は、住民税(都民税)と事業税をまとめて、東京都に第六号様式で申告します。

地方税の計算は、法人税の別表の結果を出発点にします。そして計算した地方税は、また法人税の別表(別表五(二)・別表四)に戻ってきます。

法人税 → 地方税

法人税の別表 地方税の欄 金額 根拠
別表一9欄 法人税額計 第六号様式① 法人税額 217,050 記載の手引 区分15
別表四34欄 合計 第六号様式64欄 所得金額 1,447,000 区分51(1)
別表四52欄 所得金額 第六号様式71欄 法人税の所得金額 1,447,000 区分52
  • **都民税の法人税割**は、法人税額をもとに計算します(217,000円×7.0%→15,100円)。
  • **事業税の所得割**は、法人税の所得金額をもとに計算します(1,447,000円×3.5%→50,600円)。
  • 均等割は、所得に関係なく、資本金等の額と従業者数で決まります(別表4の3、年70,000円)。

地方税 → 法人税の別表

計算した地方税は、法人税の別表に戻ってきます。

  • この申告で納付する都民税40,600円 → 別表五(二)の道府県民税・市町村民税の確定分(9欄・14欄)
  • 中間納付した都民税44,500円 → 別表五(二)の中間分(8欄・13欄) → 別表四3欄で加算
  • この申告で納付する事業税・特別法人事業税19,300円 → 当期の決算の納税充当金に含まれる → 別表四4欄で加算(翌期に払ったとき損金になり、翌期の別表四13欄で減算)

都民税を別表五(二)の道府県民税と市町村民税の欄に分ける扱いは、このサイトでは東京都の税率表の内訳(法人税割1.0%+6.0%、均等割2万円+5万円)で分けています。国税庁の留意点・記載要領には、この欄に都民税を含めて書くことは書かれていますが、分け方は書かれていないため、確認できていません(地方税法では、特別区の法人の都民税は道府県民税と市町村民税を合わせて一つの税とみなして扱います)。

23区以外の会社の場合

東京23区以外に事務所がある会社は、住民税を2つに分けて申告します。

申告先 様式 税金
県(道府県) 第六号様式(23区の会社と同じ様式) 道府県民税・事業税・特別法人事業税
市(市町村) 第二十号様式 市町村民税

このサイトでは、同じ会社が23区以外(標準税率で課税する架空の県・市)に事務所を置いた場合の数字も用意しています。画面の上(ヘッダー)の「事業所設定」で所在地を「23区以外」にすると切り替わります。

  • 法人税割:道府県民税は217,000円×1.0%→2,100円、市町村民税は217,000円×6.0%→13,000円(参照:地方税法 第51条・第314条の4)
  • 均等割:道府県民税は年20,000円、市町村民税は年50,000円(参照:地方税法 第52条・第312条)
  • 事業税・特別法人事業税:計算は23区の会社と同じで、県の第六号様式で申告します

県・市の申告書がそれぞれ道府県民税・市町村民税だけを扱うので、別表五(二)には、第六号様式の㉑(10,800円)を道府県民税の確定分(9欄)に、第二十号様式の⑳(29,800円)を市町村民税の確定分(14欄)に、そのまま書けます。23区の都民税のような分け方の問題はありません。

税率の合計(法人税割7.0%・均等割年7万円)は23区の都民税と同じなので、架空の会社では、法人税・決算の数字は所在地によって変わりません。実際の税率は県・市の条例で決まり、標準税率より高い県・市もあります。

欠損金も連動する

繰越欠損金がある年は、法人税では別表七(一)、事業税では第六号様式別表9で控除します。詳しくは「繰越欠損金の流れ」をご覧ください。

ポイント

  • 地方税は、法人税の別表(別表一・別表四)の結果を使って計算する
  • 計算した地方税は、別表五(二)・納税充当金を通じて、別表四に戻ってくる
  • 23区以外の会社は、住民税を県(第六号様式)と市(第二十号様式)に分けて申告する
  • 住民税は損金にならず、事業税は申告した期の損金になる(参照:タックスアンサー No.5300)

出典:東京都主税局「第6号様式 記載の手引」(令和7年改正)、地方税法施行規則 第六号様式・第二十号様式と記載要領(e-Gov法令検索)、地方税法 第51条・第52条・第312条・第314条の4、国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」申告書作成上の留意点、タックスアンサー No.5300「損金の額に算入される租税公課等の範囲と損金算入時期」(令和8年4月1日現在法令等)

最終更新日:2026-10-10

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