決算では、その事業年度の税金を見積もり、確定申告で納める分を未払法人税等として計上します。ここでは、架空の会社(黒字・東京23区)の数字で、見積もりから仕訳、申告書への記録までをたどります。
1. 税額を見積もる
決算の前に、所得金額から法人税・地方法人税・住民税・事業税・特別法人事業税を計算します(「法人税・住民税・事業税の計算の順番」)。自分の会社の数字なら、「法人税・住民税・事業税の概算シミュレーター」で目安を計算できます。
2. 中間納付と源泉所得税を差し引く
確定申告で納めるのは、年間の税額から、すでに納めた分を差し引いた額です。
| 税目 | 年税額 | 中間申告で納めた額 | 確定申告で納める額 |
|---|---|---|---|
| 法人税 | 186,800 | 136,000 | 50,800 |
| 地方法人税 | 22,300 | 14,000 | 8,300 |
| 都民税 | 85,100 | 44,500 | 40,600 |
| 事業税 | 50,600 | 36,500 | 14,100 |
| 特別法人事業税 | 18,700 | 13,500 | 5,200 |
法人税の年税額は、源泉所得税30,200円を差し引いた後の額です(所得税額控除)。確定申告で納める額の合計119,000円が、決算で計上する未払法人税等になります。
3. 仕訳
| 時期 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 中間申告で納めたとき | 法人税、住民税及び事業税 244,500 | 現金預金 244,500 |
| 決算(期末) | 法人税、住民税及び事業税 119,000 | 未払法人税等 119,000 |
| 翌期に確定申告で納めたとき | 未払法人税等 119,000 | 現金預金 119,000 |
架空の会社は、中間申告で納めた税金と源泉所得税を「法人税、住民税及び事業税」に計上しています。損益計算書の法人税等は393,700円(中間納付+源泉所得税+未払法人税等)で、当期純利益は933,500円です。
4. 申告書に記録する
| 欄 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| 別表四 4 | 損金経理をした納税充当金(加算) | 119,000 |
| 別表五(二) 31 | 繰入額(損金経理をした納税充当金) | 119,000 |
| 別表五(二) 41 | 期末納税充当金 | 119,000 |
| 別表五(一) 26 ④ | 納税充当金(翌期首) | 119,000 |
未払法人税等として費用にした額は、税務上の損金にならないので、別表四の4欄で加算します。国税庁の手引は、別表五(二)の41欄の金額と貸借対照表の納税充当金(未払法人税等)が一致しているかを確かめるよう示しています(「納税充当金」)。
5. 翌期に納める
翌期に確定申告で納めると、未払法人税等を取り崩します。翌期の別表五(二)では「充当金取崩しによる納付」として記録し、事業税・特別法人事業税の分は翌期の別表四で減算します(「前期・当期・翌期の申告書のつながり」)。納める期限は「法人税・地方税の申告と納付の期限」。
出典:国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」第一部 4 申告書の作成(設例)・申告書作成上の留意点(別表四・別表五(一)・別表五(二))
最終更新日:2026-10-11