どんなものか
ある年に赤字(税務上の欠損金額)が出たら、その赤字を翌期以降に繰り越し、黒字になった年の所得から差し引けます。これを欠損金の繰越控除といいます。
- 使える会社:青色申告の会社など
- 繰越期間:平成30年4月1日以後に始まった事業年度の欠損金は10年(参照:手引、タックスアンサー No.5762)
- 控除できる上限:中小法人等は控除前の所得の100%、それ以外の法人は50%(参照:留意点、タックスアンサー No.5762)
- 控除の順番:古い事業年度の分から
計算は別表七(一)で行います。
赤字の年
架空の会社の「当期が赤字」のパターンでは、別表四52欄の所得金額が△3,000,000円です。この3,000,000円が別表七(一)の当期分の欠損金額になり、翌期へ繰り越されます。法人税はかかりません。
黒字の年
「繰越欠損金を控除」のパターンでは、前期の欠損金1,000,000円を、当期の所得2,030,000円から差し引きます。
- 別表七(一)の当期控除額:1,000,000円
- 別表四44欄で△1,000,000円 → 所得金額は1,030,000円
- 別表一26欄にも1,000,000円
事業税でも同じように繰越欠損金を控除します。第六号様式別表9で計算します(全国共通の様式で、東京23区以外の会社も使います)。
知っておきたいこと
- 赤字の年も、申告をしておくことで、将来の税金を減らせる可能性があります
- 繰越欠損金には期限があります。別表七(一)に、いつの年度の欠損金がいくら残っているかが書かれています
- 赤字でも、住民税の均等割(架空の会社では東京23区で年70,000円。23区以外でも県・市の合計で同じ額)はかかります(均等割)
- 当期の控除額・翌期への繰越額・繰越の期限は、「繰越欠損金の計算シミュレーター」で計算できます
詳しくは、テーマ別の解説「繰越欠損金の流れ」をご覧ください。
出典:国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」申告書作成上の留意点(別表七(一)・別表四・別表一)、タックスアンサー No.5762「青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除」(令和8年4月1日現在法令等)
掲載している会社・数値はすべて架空のものです。学習用の一般的な説明で、個別の申告内容についての判断は、税理士などの専門家にご確認ください。
最終更新日:2026-10-10