別表五(一) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書

別表五(一)は、税務上の「純資産」を管理する帳票です。会計の純資産と税務の違いが、ここに積み上がっていきます。

表示中:株式会社べっぴょう(架空)・黒字・東京23区の会社(2025-07-01 〜 2026-06-30)。当期は黒字。中間申告あり。繰越欠損金なし
所在地:東京23区内に事務所が1か所。都民税・事業税・特別法人事業税を東京都(第六号様式)に申告します。

令和8年度の様式(e-Tax 様式ID HOA511 版16.1)。欄をクリックすると、計算元と転記先がハイライトされます。

  • 自動計算(仕様書の計算式)
  • 自動計算(最小値・税率・条件などを含む式)
  • 会計データ(決算書・試算表)から連携
  • ほかの別表・前期の申告書から転記
  • 手入力

様式は横にスクロールできます。

別表五(一) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書の様式

別表五(一)の役割

別表五(一)「利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書」は、上の段(Ⅰ)で税務上の利益積立金額、下の段(Ⅱ)で**資本金等の額**を、期首・当期の増減・翌期首の順に計算する帳票です。

利益積立金額は、会計でいう利益剰余金に近いものですが、別表四で「留保」とした申告調整(減価償却の超過額など)が加わるため、会計の金額とは一致しません。この差が、翌期以降の申告調整(償却超過額の認容など)の手がかりになります。

列の意味

  • 期首現在利益積立金額①:前期のこの別表の「差引翌期首現在利益積立金額④」を移します
  • 当期の増減 減②・増③:当期に減った額と増えた額
  • 差引翌期首現在利益積立金額④:①-②+③。翌期の①になります

前期の申告書から期首①へ移る金額と、当期の④が翌期のどの欄に移るかは、「前期・当期・翌期の申告書のつながり」で、架空の会社の数字を使って説明しています。

架空の会社の主な行

行 期首① 減② 増③ 翌期首④
利益準備金 100,000 20,000 120,000
減価償却超過額 100,000 100,000
一括償却資産損金算入限度超過額 120,000 120,000
繰越損益金 2,000,000 2,000,000 2,713,500 2,713,500
納税充当金 489,000 489,000 119,000 119,000
未納法人税等 △300,000 △450,000 中間△150,000・確定△59,100 △59,100
未納道府県民税 △22,700 △34,050 中間△11,350・確定△10,750 △10,750
未納市町村民税 △66,300 △99,450 中間△33,150・確定△29,850 △29,850
差引合計額31 2,200,000 3,072,800
  • 繰越損益金:期首①に繰越利益剰余金の当期首残高を書き、同じ額を減②に書いていったん0にしてから、当期末残高を増③に書きます(参照:留意点)。
  • 未納法人税等:まだ払っていない税金は利益積立金額のマイナスとして△を付けます。中間分・確定分は増③に△で、当期中に払った額は減②に△で書きます。

ほかの帳票とのつながり

  • 別表四の留保② → 当期の増減:別表四で留保とした加算は増③に、減算は減②に移します。架空の会社では、別表四6欄の留保220,000円を、減価償却超過額100,000円と一括償却資産損金算入限度超過額120,000円の2行に分けて増③に入れています。
  • 別表五(二) → 未納法人税等の行:中間分・確定分の税額(別表五(二)の3・4・8・9・13・14欄)を増③に、当期中の納付額を減②に書きます。
  • 貸借対照表 → 繰越損益金・納税充当金:繰越利益剰余金の期末残高2,713,500円、未払法人税等119,000円と一致します。

検算式(留意点のチェックポイント)

特殊な取引がない場合、次の式が成り立ちます。

別表四52②欄 + 31①欄 - 27・29・30の③欄の合計額 ± 28③欄 = 31④欄

架空の会社では、1,167,000円(別表四52欄の留保)+2,200,000円 -(150,000+59,100+11,350+10,750+33,150+29,850=294,200円)=3,072,800円 となり、31④欄と一致します。

確かめたいポイント(留意点のチェックポイントから)

  • 各区分の期首現在利益積立金額①が、前期申告書の差引翌期首現在利益積立金額④と一致しているか
  • 各区分の「当期の増減」の金額と、別表四の「留保②」の金額が一致しているか
  • 上の検算式が成り立つか

出典:国税庁「令和7年版 法人税のあらましと申告の手引」申告書作成上の留意点(別表五(一))

最終更新日:2026-10-11

この帳票の練習問題

この帳票が出てくるテーマ別の解説

この帳票に出てくる用語

様式の画像:国税庁「法人税申告書別表等(令和8年4月1日以後終了事業年度分)」(PDF)を加工して作成